法務委員会

法務委員会としての小型機事故への取り組み
近年、小型機による事故が多発し、航空局からも注意喚起がなされております。一旦事故が発生しますと小型機の事故においては一般的に外部からのサポートが得られないため、事故に関する情報の取得が難しい状況にあります。とりわけ個人所有の小型機においては対応が困難で航空・鉄道事故調査委員会により後日発表される事故調査情報以外は、入手出来ないのが現状です。

更に同乗者に対する保険契約条項が、どのような特記条項になっているかもまちまちで把握しにくい状況にあります。

法的問題に致しましても当事者が業務上過失傷害・致死罪等に問われる状況も考えられ、何かと問題点が多々あろうかと思われます。たとえ周りの仲間たちの助言があるにせよ、個人処理には限界もあります。

当協会が毎年発行しておりますパイロット手帳には、事故当事者が冷静に対応できるように 「事故に遭遇したら」 の手順が記載されており、それに関して協会顧問の弁護士の支援が受けられるようになっていますが皆様ご存じでしょうか。

現在、名古屋地裁においてラインパイロットの裁判が進行中であり、当協会の法務委員会におきましては万一自家用会員の方々がその様な立場に立たされた場合、協会としてどのようなフォローアップが出来るかを模索中であります。

委員会としてホームページ、パイロツト誌を通じ事故情報の速やかで正確な伝達、安全啓蒙のキャンペーン、司法の問題や保険に対しての対応・情報の提供等お役に立てるよう努力したいと思います。

協会事務局にご連絡いただければ、会員ならどなたでも顧問弁護士の助言を受けることも可能ですし、また最寄りの地域の弁護士をご紹介することも出来ます。

今後とも会員の方々より有意義なご意見、ご希望ををお寄せいただき法務委員会活動の指針にさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

参考として近年起こった直近の小型機事故を以下に列記いたします。
最近の小型機事故に関する情報
2003
3/21 単発低翼機、着陸のあとギヤレバーとフラップレバーを間違え滑走路に擱座。けが人なし。
3/23 単発高翼機、離着陸訓練中、離陸時にパワーが途中までしか出ず、離陸できなくてオーバーラン。ギヤ折損。2名軽傷。
3/24 双発機、社内機体テストフライト中に墜落。2名死亡。
5/7 単発曲技機、練習中海上に墜落。水没。2名死亡。
6/6 モーターグライダー、天候不良のため出発地に引き返す途中燃料切れで不時着。中破。2名重傷。
6/20 単発高翼尾輪式、場外離着陸場でオーバーラン。主翼大破。軽傷。
7/11 単発低翼機、エンジン不調で不時着。電柱にぶつかり大破。3名死亡、1名重傷。
8/5 単発低翼機、着陸時左ギヤ折損ギヤ引っ込む。滑走路に擱座。けが人なし。ギヤ、主翼損傷。中破。
8/6 単発自作機、エンジン停止で不時着。けが人なし。プロペラ欠損、主翼取り付け部湾曲。大破。
8/10 単発低翼機、スポットで暖機運転中前進、前に駐機中の双発機に追突。けが人なし。低翼機プロペラ損傷。双発機尾部損傷。
8/17 単発低翼機、離陸上昇中エンジンカバーが確実に閉じられていなかったため、引き返す。損害なし。
9/16 単発低翼機、着陸進入中滑走路の手前の斜面に墜落。3名死亡。
10/19 動力滑空機、場外離着陸場で着陸の祭滑走路を逸脱し左側の草地に突っ込む。けが人なし。プロペラ折損、主脚脱落。
10/31 曲技機、曲技飛行練習中に背面状態で地上の物体と接触。一名重傷。大破。

社団法人 日本航空機操縦士協会  法務委員会
TEL.03-3501-0433 FAX.03-3501-0435 E-mail:japa@japa.or.jp
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