法務委員会

委員会の歩み
1965年〜1970年〜1975年〜1980年〜1985年〜1990年〜1995年〜

2000年〜2005年〜
1965年11月 社団法人としての協会発足:運輸大臣の認可に基づく社団法人として発足。協会の設立趣旨のなかで、当時「会員援護」という用語で、航空事故などに巻き込まれた場合に再発防止のための原因調査を優先させるべきで、そのために過失を処罰するための刑事処分から会員を守る、という精神が盛り込まれていた。これは法人化の後にも継承されて、現在に至っている。
1971年 要望書の提出:「航空事故の再発防止のため、科学的な事故調査体制の確立」を求めて、数回に亘る要望書、建白書、意見陳述、懇談を行った。提出先は運輸大臣をはじめ自民党幹事長、行政管理庁長官、内閣官房長官など。
1971年10月 「航空事故調査委員会設置法案」が上程される。
1974年 1月 「航空事故調査委員会」が発足した。
1976年 「法務委員会」が新設される:高野開理事を委員長として活動を開始。「事故発生時の犯罪捜査は、再発防止のための真相究明の妨げになる」、「パイロットを業務上過失として起訴するのは不当である」と主張。
1978年 3月 「法務懇談会」の開催:「航空機事故調査とパイロットの法的責任について」懇談。出席団体はALPA-J、日本航空乗員組合、全日空乗員組合、東亜国内航空乗員組合、ヘリコプター乗員組合連絡協議会、航空安全推進連絡会議、JAPA関係者、その他。
1978年 4月 「法務省訪問」:石橋明編集委員長、宮田実理事が法務省を訪問。ハイジャック対策のために設置された「航空危険罪」を航空事故に適用することに関して異議申し立て。パイロットの団体が真剣に事故の再発防止対策に取り組んでいる姿勢を法務省に示す。
1978年 5月 「リーガルキャンペーン」:編集委員会が1978年5月号パイロット誌上で「航空機事故調査とパイロットの責任」というリーガルキャンペーンを組んだ。
1978年 5月 刑事処分事例調査と法廷支援:過去における航空機事故例と刑事処分の一覧表を作成。協会はすべての起訴処分に対して、再発防止のための事実調査を行う上で障害となる旨の意見を主張してきた。起訴されて裁判に及んでしまった案件に対して法務委員会は、無罪の証言、証拠資料等の作成、公判の傍聴など全面的な法廷支援を行ってきた。この年までに18件の事故例中13人のパイロットに刑事処分がなされていた。 (パイロット誌1978年5月号参照)
1978年12月 「取り調べ・調査をうける場合の心構えと対応策について」パイロット手帳に添付:松岡浩協会顧問弁護士の解説を縮小したもの。
1980年 7月 「不起訴処分」:大島空港におけるオーバーラン事故乗員の不起訴処分上申書を東京地方検察庁に提出。
1980年 8月 「不起訴処分確定」
1986年 2月 新潟事故ヘリ・パイロットに無罪判決:小暮右太郎氏(協会嘱託)が84年3月末に鑑定書を提出していたもの。
1991年 4月 「秋田県内ヘリコプター衝突事故裁判」傍聴開始:以後判決まで4年間、述べ30名の法務委員が秋田地裁で傍聴、研究を行った。
1993年 「パイロットへのガイダンス」の出版:試験制度の問題から始まり、空中では大型機も小型機もルールベースは同じだと言う視点から編集した。根底には、事故を起こさない(予知・予防)と言う考えがあった。
1996年 「秋田県内ヘリコプター衝突事故裁判報告書」理事会へ提出。
1998年 6月 「航空事故とパイロットの責任」について講演会開催前編後編
長文:東海大学教授、池田良彦氏による。
1999年 航空事故調査委員会、海難審判庁等を訪問:事故調査制度や海難審判制度についての理解を深めた。
2000年 NTSBの事故調査制度に調査・研究。
2000年10月 NTSBの事故調査制度に関して聴講:協会に元駒沢大学教授の関口雅夫教授を招聘し、勉強会を実施。
2001年 5月 「航空機事故に遭遇したときどのように対処するか」をパイロット誌に折込む:1978年、パイロット手帳に添付した「取り調べ・調査をうける場合の心構えと対応策について」の見直しを松岡浩協会顧問弁護士にお願いし、「航空機事故に遭遇したときどのように対処するか」と改編した上、パイロット誌2001年5月号に折り込んだ。
2001年10月 「航空事故再発防止のための安全シンポジウム」を開催:法務委員会はこのシンポジウムの実行委員会として6ヶ月以上かけて準備にあたった。「航空事故の再発防止」をメイン・テーマに、関係有識者によるパネル・ディスカッションを通じて、「航空界の現状を認識」し、出席されるすべての方々がそれぞれの立場で、主体的に「航空安全のために何ができるかを考える機会を提供する」ことを目的として開催された。
2001年12月 「事故に遭遇したら」をパイロット手帳に綴じ込み:法務委員会が編集した「事故に遭遇したら」がパイロット手帳に綴じ込みで掲載された。
2002年 3月 協会会議室にてマスコミ関係者向けに「パイロットによる第1回航空セミナー」を開催:委員長が出席、談話
2002年 4月 協会ホームページ内に法務委員会のウエッブサイトを作成:同ウエッブサイト内に法務委員会議事抄録を公開し始める
2002年 5月 JL706便事故機長在宅起訴される:問題点と今後の方針について朝日新聞にJAPAとしての姿勢と見解が掲載される
2002年 7月 自家用機の座席保険の加入状況について自家用会員に対し、アンケートを実施して実態調査を行なった:協会副会長と法務委員長が初代事故調査委員で「航空事故調査」(鳳文書林)著者、山口真弘氏を訪ね今後の協会、法務委員会の活動に関してご意見を伺った
2002年10月 JL706事故集会(日乗連主催)に委員長が出席
2002年11月 委員長、池田良彦教授(東海大学)を訪問し、主にJL706便機長起訴についての問題点につきご意見を伺った:中日本航空事故調査報告書と航空局通達について、原因、所見等からより効果的な再発防止策を検討した
2002年12月 ANK丘珠空港オーバーランの事故、事故調査報告書に基づいて検討
2003年 1月 委員会の依頼に基づき、PILOT誌新年号に航空再開50周年記念の特集として「航空法立案の思い出」(山口真弘氏)が掲載された。
2003年 2月 委員長、元事故調査委員会事務局長を訪ね、事故調査制度全般について質問した:JL706事故公判の傍聴に極力参加することを決定。次年度に向け予算措置を行う
2003年 4月 小型機事故に対しての法務委員会の取り組みについて検討
2003年 5月 委員長、日本空法学会に出席:関口雅夫駒沢大学教授の講演を拝聴した。講演趣旨「航空事故制度の課題とあるべき展開」について後日学習した
2003年 9月 焼津上空JL907事故、書類送検に関する法務委員会としての見解が協会のHPとPILOT誌9月号に掲載された:過失の定義・過失認定に伴う問題点について池田良彦教授による講義を協会会議室にて受講
2003年10月 過去の航空事故(有罪・無罪例)について大分、宮崎地方検察庁対し所刑事確定記録の閲覧申請について打診・申請
2003年11月 PILOT誌11月号に「JL706裁判における事故調査報告書証拠採用」に関しJAPA見解を掲載
2004年 1月 航空安全委員会との共催による『ヒューマンファクター 基礎編T』聴講(講師 日本ヒューマンファクター研究所 研究開発室室長 石橋 明氏)
2004年 2月 航空安全委員会との共催による『航空事故調査 基礎編T』聴講(講師 国土交通省 航空鉄道事故調査委員会事務局 事故調査官 知場 勝氏)
事故に遭遇した使用事業PILOTに面会し側面的支援
2004年 4月 協会主催マスコミ向け航空セミナー、「航空事故とパイロットの過失」他をテーマに委員長が講師として参画:事故調査と刑事捜査の関係、報告の聴取と警察の取り調べの違い等を説明した
2004年 5月 委員長、大分、宮崎地方検察庁に出向き、調査、研究の目的で刑事確定記録を閲覧・謄写
2004年 7月 名古屋地裁にて「JL706裁判無罪判決」地裁にて傍聴:JAPA法務委員会見解を作成
2004年 8月 JAPA法務委員会見解を理事会で検討し、「事故調査報告書が裁判における証拠として採用されたことを憂う−国民が安心して利用できる航空を実現するために−」としてHP掲載
2004年12月 委員長、慶應大学講師フィリップ・オステン先生と会合、意見交換
2005年 2月 委員長、慶應大学講師フィリップ・オステン先生による「ドイツ刑法と日本刑法における刑事過失認定」の聴講
2005年 9月 委員長、自家用パイロットの事故について、情報提供を大阪にて行う。

社団法人 日本航空機操縦士協会  法務委員会
TEL.03-3501-0433 FAX.03-3501-0435 E-mail:japa@japa.or.jp
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